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【医師が解説】美容医療とヒアルロン酸

2018.04.21

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ヒアルロン酸は化粧品だけじゃない?

ヒアルロン酸配合など化粧品でよく聞く「ヒアルロン酸」

今さらですが、これがどんなものか、きちんと知っている方はそう多くありません。なんとなくお肌が潤うんじゃないかな、という程度でしょうか。

 

ヒアルロン酸は化粧品だけではなく、食品としても、医療品としても需要の高い優れた物質です。中でもメスを入れない「プチ整形」として、美容医療の分野で大活躍しています。

 

きちんとしたクリニックで施術すれば、プチ整形でも確かな効果を得られるでしょう。そんなヒアルロン酸とは一体何なのか。特徴や種類や効果について、医師が分かりやすく解説いたします。

ヒアルロン酸は体内に注入しても大丈夫なの?

医療用の純度のヒアルロン酸は、体内に注入することができます。原料にもさまざまな種類があり、今では製品開発会社も増え、安全で効果の高いヒアルロン酸がたくさん出ています。

 

元々身体の中にある自然な物質

ヒアルロン酸は1934年、アメリカのコロンビア大学・カールマイヤー博士によって発見された物質で、当初は医療用の目的でしたが、性質が究明されて食品や化粧品にも使われるようになりました。

元々人の身体にもたくさん存在する物質で、糖の仲間に分類されます。クッションのような「粘弾性」と水分を抱え込む「保水性」という特徴があります。

 

ヒアルロン酸の保水性は、たった1gでなんと2~6Lもの水を抱え込むことができます。人の身体にあるヒアルロン酸の約半分量は皮膚に存在し、肌の潤いや弾力を保つ役に立っています。人の身体にある自然な物質なので、非動物性由来の原料ならアレルギーの心配は必要ありません。また、特に美容医療の分野では、安全性の高さと自然さが重宝されている物質です。

 

人工物による肌の隆起やボリュームアップは不自然になることがありますが、ヒアルロン酸は体内で組織と馴染み、周囲に気づかれないような自然な仕上がりになるのです。

ヒアルロン酸注射と化粧品の違い、その効果

ヒアルロン酸を体内に注射するのと、お肌の外から化粧品で補うのとでは、その意味も効果も異なります。

化粧品はあくまで外から補うもの

ヒアルロン酸が含まれていることが多い「基礎化粧品」は、肌に水分を補給して調子を整えるのが目的です。ヒアルロン酸の優れた保湿効果は、化粧品でも実感することができ、日々のお手入れにヒアルロン酸入りの化粧品を使っている方は多いと思います。

 

毎日のケアとして現状を維持するために、基礎化粧品でヒアルロン酸を補うことは効果的で、乾燥による一時的な小じわや、キメの粗さはこれだけでもケアできます。しかし、真皮から下の組織にはなかなかヒアルロン酸は届かず、あくまで表皮に留まるため、深く刻まれたシワや老化などによるボリュームダウンには、表面から塗るだけでは効果が発揮できないのです。

 

皮下に注射することで、皮膚の内側からボリュームアップできる!

塗るだけの化粧品と違い、ヒアルロン酸の皮下注射は、皮膚の内側から作用し、粘弾性による組織の保持・保水性による水分の抱え込みで、まるで柱のように皮膚を支えて持ち上げます。

 

また、皮膚の中に直接ヒアルロン酸が注入されることで、真皮の奥から水分を保持できることにより、皮膚にツヤとハリが出て、お肌そのものが若返ったような印象になります。特に表皮にくっきり刻まれたシワには有効で、化粧品だけでは改善できない溝状のシワにも効果があります。ヒアルロン酸は自分の体組織と馴染んで徐々に体内へ吸収されていきますが、とにかく自然なので周りにバレる心配がありません。

 

さりげなく皮膚にハリと弾力を出せるので、「なんだか若返った?」「メイクを変えた?」などと聞かれるかもしれません。

ヒアルロン酸注射を注入出来る場所は?

ボリュームを出したい場合、形を作ったり整えたりしたい場合など、ヒアルロン酸は目的に合わせて種類を選ぶことが出来ます。

シワ、小じわ、ほうれい線、くぼみ、肌のハリが気になる

表皮に刻まれたシワを全体的にボリュームアップさせることで、気になる部分にアプローチできます。額・眉間・こめかみ・目じり・目の下・頬・口角などに注入できます。

形を整えたい、部分的にふっくら造形したい

シリコンや人工物を入れるより自然な造形を希望する方におすすめなのがヒアルロン酸です。涙袋・口唇・鼻筋・顎・バストなどに注入できます。注射針の太さ、ヒアルロン酸の持続期間、粒子の細かさや硬さまで微調整し、その人に最適な量を注入することが可能です。

 

ヒアルロン酸の種類と安全性について

クリニックによって用意しているヒアルロン酸は違い、ヒアルロン酸の硬さも種類によって異なるので、希望に合わせて使い分けます。

種類

ジュビダームビスタ ボリューマXC

アラガン・ジャパン社製の「ジュビダームビスタ」シリーズは、日本国内で唯一、厚生労働省で「医療機器製造販売承認」を受けているヒアルロン酸で、局所のボリュームアップに有効です。効果は約2年も持続する高い持続性です。

 

リデンシティ

リデンシティは局所をボリュームアップさせるヒアルロン酸とは違い、皮膚の浅い部分に注射することで、皮膚の水分補給と密度アップを目的としたヒアルロン酸です。小ジワを改善し、みずみずしくハリのあるお肌への改善が期待できます。

 

クレヴィエル

アジア人のニーズに合わせて開発された高濃度濃度のヒアルロン酸で、横に流れにくいため鼻を高くしたり、アゴを整えるのに有効です。効果は12~15ヶ月と他社製品のヒアルロン酸より持続期間が長いことも特徴です。

 

安全性

元々体内にある物質ですので、医療用として開発されているヒアルロン酸は、体内に注入してもまったく問題ありません。ヒアルロン酸は販売会社が多く、あまりに安いものは、質や効果に問題がある場合があります。大きな機関で認定済みのもの、非動物性の原料由来のヒアルロン酸なら安全でしょう。気になる場合は事前にそのクリニックで使用しているヒアルロン酸の種類をチェックしてみましょう。

ヒアルロン酸は元にも戻すことが可能!

ヒアルロン酸は入れすぎて不自然になってもヒアルロニダーゼという分解注射で修正することができます。

 

デザインを変えたい方や、質の悪いヒアルロン酸を注射して凸凹になってしまい元に戻したい方、手術をするために注入したヒアルロン酸を溶かす必要がある場合にもヒアルロニダーゼを注射します。

まとめ

ヒアルロン酸は化粧品として使うのと、注射で注入するのではまったくアプローチが異なります。日々のお手入れには化粧品、中からボリュームを出したいなら注入がベストです。ヒアルロン酸注入を考えている方は、本当に安全性の高いヒアルロン酸を使用しているのか、慎重に確かめましょう。あまりに安い施術のクリニックは、ヒアルロン酸の原料問題や、使いまわし等の心配があります。

 

また、ご自分の希望箇所を医師ときちんとカウンセリングし、注入する種類や量を決めて下さい。この段階で、ある程度の持続性が計算できるはずです。定期的に注入するなら予算がどれくらいになるのかも考えてみましょう。

何より大切なのは、信頼できるクリニックを選ぶことです。ご自分での情報収集はもちろんですが、経験のある医師としっかりカウンセリングできて、施術内容に納得のいくクリニックを選ぶようにして下さい。

    監修者:恵聖会クリニック医師 天木 理恵

監修者:恵聖会クリニック医師 天木 理恵