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【医師が解説】基礎から学ぶ!眼瞼下垂とは?

2018.03.20
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ただのたるみじゃない?!眼瞼下垂について詳しく解説!

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、一見「目のたるみ」のように思われるかもしれませんが、見た目だけにとどまらず視野が狭まってしまうことから、偏頭痛や肩こりなどの原因となったり、悪化すると日常生活に支障をきたしたりすることもあります。

  基礎から学ぶ!眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂って具体的にどんな症状?

眼瞼下垂とは、目をパッチリと開けた際に、上まぶたが垂れ下がった状態を指します。まぶたを上に持ち上げる役割である筋肉、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の力が弱まることで起こります。軽度の眼瞼下垂であれば、特に気にする必要はありません。中度以上の眼瞼下垂になると、睡眠不足でもないのに「ひどく眠そうな目」のようになります。また、目を開けようとしても、まぶたの力だけでは十分に目が開かないため、おでこの筋肉を必要以上に使ってしまい額のシワがくっきりと際立つようになります。

 

眼瞼下垂って具体的にどんな症状?

さらに、上部が見づらい視野狭窄(しやきょうさく)となるため、必然的にあごを上げる形で視野を確保しようとすることから、偏頭痛や肩こりが酷くなります。もしも、目を思い切り見開いた状態でも、半分以上黒目が塞がってしまうようなら、重度の眼瞼下垂といえるでしょう。

  眼瞼下垂

年齢だけが原因じゃない?眼瞼下垂の種類と原因

眼瞼下垂には、生まれた直後から現れる「先天性眼瞼下垂」、加齢などが原因となる「後天性眼瞼下垂」「偽眼瞼下垂」があります。

 

先天性眼瞼下垂

先天性眼瞼下垂とは、生後間もない時期から上まぶたが下がっている状態を指します。まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の発達が未熟なために起こり、片目だけに現れる場合と両目に現れる場合があります。

  先天性眼瞼下垂

成長とともに症状が軽くなることもありますが、まぶたをほとんど開くことができない状況が続くと、視力の発達に悪い影響を及ぼし、弱視や斜視になるリスクが高まります。先天性眼瞼下垂の疑いが見られるのであれば、生後6ヶ月頃から眼科にて検査をすることができます。手術をする場合は症状や視力の発達に応じて、2〜3歳を過ぎてから行います。

 

後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂の最も多い原因は、「加齢」です。40歳を過ぎた頃から症状が出始めます。加齢によって、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の腱膜が緩んで伸び切ってしまうことで起こる症状です。

 

後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂は、加齢の他にもコンタクトレンズ、特にハードコンタクトレンズを長期着用していたり、ゲームを長時間行う習慣を持っていたり、マスカラの長期使用も原因となります。他にも、アトピーや花粉症などのアレルギー疾患により瞼を擦ることや、ステロイド薬の長期点眼も原因となるケースもあります。

 

偽眼瞼下垂

偽眼瞼下垂は、加齢によってまぶたの上の皮膚がたるむことで、目を見開いたときにもたるんだ皮膚にまぶたの上部が覆われてしまうため、まるで眼瞼下垂のように見えてしまう状態です。

 

偽眼瞼下垂

偽眼瞼下垂は眼瞼下垂のように眼瞼挙筋の腱膜が緩んでいるわけではありませんが、視野が狭くなってしまうことから、逆さまつげになったり、疲れ目や肩こりが起こりやすくなったりする傾向があります。そのため、手術によって余った皮膚を除去することになります。

 

目の見開きを良くしてくれる眼瞼下垂の4種類の手術方法

眼瞼下垂の手術方法には、眼瞼挙筋腱膜前転術と眼瞼挙筋短縮術、前頭筋吊り上げ術と切らない眼瞼下垂手術の4種類あります。

 

1.眼瞼挙筋腱膜前転術

眼瞼挙筋腱膜前転術は、緩んで伸びた眼瞼挙筋腱膜を前転し、瞼板(けんばん)に固定することで、まぶたの開きを良くする手術方法です。

2.眼瞼挙筋短縮術

眼瞼挙筋短縮術とは、まぶたの裏側にある結膜よりミュラー筋および挙筋腱膜を、最新の注意を払って剥がした後、ひとつにまとめて瞼板へと固定する手術方法です。

3.前頭筋吊り上げ術

挙筋機能がなく、上記1.2の手術方法が無効な場合に選択します。眉毛を上に持ち上げる役割である筋肉「前頭筋」と「瞼板」を結合させることで、眉毛を持ち上げる力を利用して、まぶたが正常に開くように導く手術方法です。人工的に作られた糸や、こめかみや太ももの外側の筋膜を使って吊り上げます。

4.切らない眼瞼下垂手術

眼瞼下垂の手術方法には、皮膚を切開せずに結膜側よりミュラー筋を縫合することで短く縮めていく「ミュラー筋タッキング術」があります。軽度から中度までの症状に適応、重度の症状には対応できないことがあります。

 

眼瞼下垂手術が保険適用になるための条件

眼瞼下垂手術が保険適用になるための条件

眼瞼下垂の手術は、一定の条件を満たすことで、健康保険が適用されます。保険適用になるための条件は、次のとおりです。

 

1.健康保険に対応している医療機関

健康保険の適用には、病院やクリニックなど、健康保険に対応している医療機関にて手術をすることが前提となります。

2.治療を目的としていること

眼瞼下垂の手術を美容目的ではなく、治療を目的としていることが認められた場合、健康保険の適用となります。

 

手術を受ける前にしっかりと理解しよう!眼瞼下垂手術のメリット・デメリット

眼瞼下垂手術の4つのメリット

眼瞼下垂の手術を受けることで、次のようなメリットがあります。

 

眼瞼下垂手術のメリット・デメリット

1.見た目が変わる

眼瞼下垂手術のメリットには、見た目の変化があります。眼瞼下垂特有の「常に眠そうな目」は、イメージとしてはあまり良いものではありません。仕事などのやる気が感じられないような印象を持たれたり、寝不足のように映るため、自己管理ができない人のように思われる可能性があるためです。

2.頭痛や肩こりの改善

重度の眼瞼下垂の場合、視野が狭くなるため、頭痛や肩こりが起こりやすくなる傾向があります。眼瞼下垂の手術をすることで、ひどい頭痛やつらい肩こりの原因を取り除くことにつながります。

3.生活習慣病の早期発見

眼瞼下垂のうち、後天性眼瞼下垂は、糖尿病や脳梗塞などの生活習慣病が原因となる場合があります。そのため、眼瞼下垂の治療を受けることで、生活習慣病の早期発見につながることもあります。

4.自信が持てるようになる

眼瞼下垂の手術後は、見た目の変化や健康面の改善が期待できるため、物事に対して自信が持てるようになります。自信を持つことで、異性や仕事相手などの他者へのアピール力を増幅させる働きがあります。

 

メリット

眼瞼下垂手術の2つのデメリット

メリットの多い眼瞼下垂手術ですが、一方で次のようなデメリットもあります。

1.美容目的では健康保険が適用されない

眼瞼下垂の手術は、健康保険に対応している病院などの医療機関にて、治療を目的とした手術であることが健康保険適用の条件となっています。美容目的の場合、健康保険が適用しない自由診療扱いになるため、保険適用時と比べて手術費用が高額になってしまいます。

 

眼瞼下垂手術のデメリット

2.手術のリスクがある

手術に関しては、内出血や腫れなど、ダウンタイムがあります。また、眼瞼下垂の手術は局所麻酔をし、術中に何度も目の開け具合を確認するのですが、希望通りの結果にならず、希望より目が開きすぎたとか、もう少し開きを大きくしたかったということもありえます。もちろん、開きすぎの兎目になってしまう場合は、修正手術が必要なこともあります。眼瞼下垂の手術は、選択する手術方法によって、それぞれ異なるリスクがあり、特に切らない眼瞼下垂術の「ミュラー筋タッキング術」には、ミュラー筋や結膜を損傷する危険性があります。

 

まとめ

眼瞼下垂は、見た目の問題だけでなく、頭痛や肩こりなどの原因となり、他にも糖尿病や脳梗塞などの生活習慣病につながる危険性があります。また、眼瞼下垂の手術は、医療機関にて治療を目的とした手術の場合、健康保険が適用されますが、必ずしも「保険適用だから、見た目がイマイチ」ということではありませんし、「自由診療だから、満足のいく仕上がりになる」とも限りません。眼瞼下垂の手術は、保険適用でも自由診療でも、信頼できる医師に相談し、納得のいく方法を選ぶことが大切です。

  恵聖会クリニック 理事長 鬼頭 恵司

監修者:恵聖会クリニック 理事長 鬼頭 恵司