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【医師が解説】危険なイメージはもう古い!?進化している豊胸手術のシリコンバッグ

2017.11.10

最新の豊胸手術をご紹介!

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はじめに

バストサイズをアップさせる目的で行う豊胸手術の中でも、最も効果が永続的に続くと言われているのがシリコンバッグ挿入法です。   名前からイメージする通り、シリコンで作られたバッグ(シリコンバッグ)を体内に挿入することで、バストサイズをアップさせる方法です。 他の豊胸手術で使われるヒアルロン酸や脂肪注入のように体内に吸収されない性質があるため、将来的にもサイズダウンすることなく、ふくよかで形の良い胸として残ることが一番の大きなメリットと言えるでしょう。 一方で、シリコンバッグ豊胸手術は、「カプセル拘縮(こうしゅく)」と呼ばれる胸そのものを硬くしてしまう症状や、「リップリング」と呼ばれる胸の表面が波打つように見えるような症状が起こるリスクがあります。 他にも胸にしびれを感じるようになったり、リンパ液や血液が胸に溜まってしまったり、胸の左右の大きさに違いが出てしまうということも、少ない確率ではありますが起こるリスクが伴います。 そうしたリスクを避けるために、その人に合ったタイプのシリコンバッグを、その人にとって的確な箇所に挿入することが重要なポイントとなります。 豊胸手術後にこまめにメンテナンスをすることで、体に馴染ませることも大切です。

シリコンバッグとは(歴史)

シリコンバッグの歴史 シリコンバッグの歴史は、1960年代に「シリコンオイルを膜で包んだシリコンのバッグ」が誕生したことから始まります。1950年代に始まったとされる豊胸手術は、直接胸にシリコンジェルなどを注入する方法でしたが、炎症や皮膚の壊死や変形などの様々な後遺症となったことから、シリコンバッグが開発されるきっかけとなりました。   開発当初のシリコンバッグは、すべすべした表面の皮膜にて、液状シリコンで包みこむような作りであり、耐久性の点で不安がありました。そのためシリコンバッグの破損による健康被害が多く発生してしまい、1992年のアメリカではFDAから一時停止処分を受けたほどです。   その後は生理食塩水を使用するタイプが開発されましたが、質感や触感が今ひとつだったこともあり、1990年代後半には、生理食塩水にムコ多糖類などを配合した「ハイドロジェルバッグ」が使用されるようになりました。ただし、長期間の使用に対する安全性を危惧したフランスやイギリスでは2000年代に禁止となっています。   昔のシリコンバッグ 2000年に入りますと、シリコンバッグが再び豊胸手術のメインストリームに返り咲きます。それまでは発がん性などの影響があるとされていたのですが、2000年以降はそうしたリスクを否定する論文が多く発表されたことがその理由となっています。   2000年以降のシリコンバッグは、万が一体内で破裂してしまった際にも、中身が漏れ出さないように作られた「コヒーシブシリコン」が主に使用されています。2006年には、アメリカのFDAから、メンター社およびアラガン社の製造したシリコンバッグが承認されています。ただし、22歳以上の女性の豊胸手術ならびに再建手術への使用の場合のみとなっています。

シリコンバッグの様々な形について

様々なシリコンバッグ シリコンバッグは胸のタイプや、希望する胸の大きさによって、様々な種類や大きさがあります。基本的には医師が患者と共に相談しながら、適切なものを選んでいきます。シリコンバッグの種類には次のようなものがあります。  

スムースタイプ

  シリコンバッグの表面がすべすべでツルッとしたタイプです。比較的柔らかめの触感が出せることと、丸みを帯びた胸本来の自然な形で表現しやすいメリットがあります。手術後にマッサージを必要とするケースがあります。  

テクスチャードタイプ

  スムースタイプと比べて、表面がザラッとした質感のタイプです。もともとの組織に馴染みやすい性質があります。  

ラウンドタイプ

  名前の通り丸みを帯びたタイプです。柔らかさがあることから、自然な胸の動きや形になりやすいメリットを持っています。  

アナトミカルタイプ

  理想的な胸の形を表現しやすいタイプです。そのため、硬めのシリコンが使われることから、柔らかさという点では妥協する必要があるかもしれません。  

挿入位置について

シリコンバッグを胸に挿入する場合、挿入する位置に応じて、「大胸筋下法」「乳腺下法(大胸筋膜下法)」といった2種類の手術法から選ぶことになります。  

大胸筋下法

大胸筋下法は、文字通り大胸筋の下にシリコンバッグを挿入する手術法です。 大胸筋下法 【特徴】 もともと痩せていたり、皮膚や皮下組織が薄めで小ぶりの胸の人に向いています。

他の手術法と比べて触感が硬めであり、手術後の痛みが強い傾向があります。

【注意点】 挿入したシリコンバッグが、筋肉の動きとともに揺れるのが見えてしまうケースがありますが、カプセル拘縮やリップリングなどの後遺症が出た際に目立ちにくい点もあります。

乳腺下法(大胸筋膜下法)

  乳腺下法は、乳腺の下側である大胸筋の上にシリコンバッグの挿入をする手術法です。 乳腺下法大胸筋膜下法 【特徴】 皮膚や皮下組織にある程度の厚みがある人におすすめの手術法です。最も触感の点で柔らかさを表現しやすく、谷間も作りやすく、手術後の痛みも少なめというメリットがあります。妊娠や出産を経た下垂気味の胸への手術にも対応しやすいと言われています。

※乳腺下法のことを、乳腺の下の大胸筋膜と大胸筋の間に挿入する為、大胸筋膜下法と表現するクリニックもあります。

【注意点】 控え目な胸の人や、皮下脂肪の少ない人には、術後にシリコンバッグが浮き出たような状態になりやすいため、適用できない可能性があります。カプセル拘縮やリップリングといった後遺症があった際に目立ちやすい傾向があります。    

シリコンバッグ豊胸の疑問・注意点について

  シリコンバッグの豊胸の疑問や注意点について ここからは、シリコンバッグ豊胸の疑問に対する答えや、注意点を紹介していきます。  

1.手術をしたら乳がんになりやすいの?

シリコンバッグ豊胸手術をしたからといって、乳がんへのリスクが高まることもない代わりに、乳がんへのリスクがなくなることもありません。不安な場合には、乳がん健診を受けることをおすすめします。乳がん健診の際には、シリコンバッグが挿入されていることを事前にきちんと伝えるようにしましょう。  

2.授乳への影響はあるの?

シリコンバッグが授乳に与える影響はないとされています。先述した手術法によって乳腺組織が損傷されることはなく、シリコンバッグが万が一破損したとしても、中のシリコンが流出しない仕組みになっています。そのため、シリコンなどが母乳に混ざってしまうことはなく、そもそも乳腺の下にシリコンバッグを挿入する手術であることも根拠となっています。  

3.マンモグラフィーを受ける際は、病院に伝えよう

病院によっては、シリコンバッグ豊胸手術をしている場合、乳がん検診の際のマンモグラフィーが受けられないケースがあります。マンモグラフィーは胸そのものを圧迫する形で検診する方法のため、シリコンバッグが破損するリスクがあるためです。対処法として、豊胸手術をしていてもマンモグラフィーが受けられる病院を探すことと、超音波検査による健診を受ける方法があります。  

4.昔のシリコンバッグを入れている。

どんなものにも寿命があるように、シリコンバッグも耐久性の点を考えますと、半永久的に使用できる訳ではないようです。経年劣化による破損のリスクを考慮した場合、10年から15年ほどで入れ替えることが推奨されています。  

5.レントゲンに写る場合もある

シリコンバッグはレントゲンに写るケースがあると言われています。何らかの異常と間違えられるかもしれないため、あらかじめシリコンバッグが挿入されていることを伝えておくと良いかもしれません。

まとめ

シリコンバッグ豊胸手術を受ける際には、後遺症などのリスクも踏まえた上で、信頼できる医師にきちんと相談した上で最適な手術法を選択し、術後もメンテナンスをしっかりと行うようにすることが重要です。 筆者:恵聖会クリニック医師 鬼頭 恵司 筆者:恵聖会クリニック医師 鬼頭 恵司